その一:ドスちゃん

近所の家族の引越時に、住宅事情で彼のお母さんは連れて行かれたにも関わらず彼自身は泣き声がすごいので残されていた。確かにその家の窓のそばでよく鳴いていた。我が家に出現した時は弱っていた為か諦めの為か鳴き声ひとつたてずに殆ど屋根の上で過ごしていた様だが移動する時の足音がよく響いたので我々は彼をドスちゃんと名付け餌をあげ始めた。10日程過ぎた雨の日、前日現れた様子が無かったので心配していたらお向かいさんが犬の散歩の際に死んでいたのはどうも彼のようだと教えてくれた。クリスが確認しに行くと彼の素性を知るお宅の方が箱に彼とお花を入れてくれていた。私達に向かって話す声を聞いた事が無いままに彼は逝ってしまった。

その二:シロちゃん

白いのでシロと単純に名付けた。シロも鳴かない。威嚇する声だけは聞いた事があるが...。彼女はたぶんドスちゃんの友達だったのだろう。彼から貰い餌をしていた様で彼の死後自然と餌を引き継いだ形になった。静かに現れしばらく納屋の屋根で私達が気付くのを待つ。餌をあげた後、普通少し残して静かに去って行く。他の家で餌を貰うとも聞いたが本当の所何処に行くのかは分らない。雨が降っている時は現れない。雨が止むと彼女はまた納屋の屋根の上で私達が「お嬢様がお見えで〜す。」と言いながら食事を差し出すのを待つのだろう。

その三:キョクちゃん

シロが残す餌目当てに現れた。私達がそれに気付くと最後の瞬間までスピードを速めながらしつこく食べていた。相撲を観る人だったら解ってくれると思うが、旭鷲山(きょくしゅうざん)が立ち去る姿を思い出させる逃げ方だった。それでキョクちゃんと呼ぶ様になった。屋根を歩き廻る音から最初彼は大きいネコだと思っていたが、まだティーンネージャーの様だ。よく食べる。シロの残りまで欲しがって彼女を怒らせる。野良猫歴の違いは歴然としている。彼も最初は鳴き方を知らなかった。今でも威嚇と「ごはん〜」と鳴き方を間違える事が度々ある。寝る場所は知らないが、彼のトイレは我が家の裏庭に設けてある。クリスがブツの掃除係である。

-YS, 2003年-夏

次は他の猫たち 

Date posted: 2003-09-15