カテゴリー: 日本の探偵小説
視覚的日本風ゴシックロマン
数日前に江戸川乱歩の英訳本が出た!と騒いでいた私である。今日も引き続きソレ系について書きたいと思う。興味の無い人にとっては「古臭いエログロっぽい話。」だとか「あ〜、あの怪人二十面相ね〜。少年探偵団だっけ?」という程度の事だろうが、実際50年振りに出た英訳本とあって私はとても嬉しいのだ。
ところで、私が乱歩や横溝正史の世界に引かれるのはテレビや映画等の視覚的影響大だと思う。乱歩の小説は大正時代から昭和30年代まで書かれていて、どちらかというと第二次世界大戦前が主という感じ。横溝正史の小説は大正から始まり金田一耕助シリーズで、よりアクティブになるので戦後が主だと思う。多少時期がずれるので大雑把に探偵小説の大御所二人まとめて一言で語るのは無理があるというものだろう。けれども、これは私一個人の「好きな雰囲気」を語っているだけなので御容赦願いたい。

色で例えると黒と赤、それに鮮やかな着物柄。日本90%に西洋趣味10%。乱歩の場合もっと西洋のパーセンテージが高いかもしれない。洋装をしていても日本臭さは決して消えない。畳の上に絨毯をひいてロココ調の椅子に座る様な、日本風洋館にステンドグラスがはめ込まれている様な。そして建材はけっして安っぽいものではないのだ。艶やかな黒髪の人々は暖色の決して明るくない灯りの元集い葡萄酒を飲み蓄音機のレコードを楽しむ。・・・雰囲気として西洋の1920〜30年代に近いのかもしれない。どちらにしても一般庶民の生活では無いようだが...。
映画というと市川崑監督、石坂浩二主演の横溝正史原作「犬神家の一族」が再映画化されるそうである。今秋完成で来年公開予定だそうだ。あの衝撃的だった映画の同じ顔ぶれでの30年後のリメイク、いったいどうなるのか楽しみだ。
実をいうともっと、単純に耽美とかグロテスクとかデカダンスとかアブノーマルとかそういう物にもっと興味があったのは若き頃だ。アーティストたるもの不健康で変人じゃなくっちゃみたいなね。けれど、結局田舎の子だし、お金も無いし、どこか気弱な私は他人が気取る程の事はしなかったから誰も気付かなかったかもしれない。現実の私は何時でもすごく普通だ。痛いのなんか嫌だし、暴力も嫌だし、血を見るのなんかもっての他だ。今でも綺麗な物は好きだが、その基準は変わって来たと思う。

けれども数十年経た今でも、鮮やかな着物を着た吸血鬼が出てきても受け入れられそうな日本風ゴシックロマンは私を引き付ける。西洋の真似をしていながらも独自の雰囲気を持ち得たあの独特な時代をもっと知りたいのである。
ふと思ったのだけれど、あの時代の日本国内の西洋館の御手洗って和式よね?きっと。和式の方が相応しいと思うのだけれど...。(下世話でゴメンナサイ。)
-YS, 2006年1月28日
2006年1月28日
